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老眼用コンタクトレンズの特徴は?一般的なコンタクトレンズや老眼鏡との違いも解説

40歳を過ぎる頃から、近くの物がぼやけて見えにくくなったり、目の疲れを感じたりする、老眼の症状に悩まされる方が増えてきます。また、見づらさを解消するために老眼鏡を作る方もいるでしょう。

しかしながら、老眼鏡は近くを見るのには適していますが、遠くの物をはっきり見ることはできません。そこでおすすめなのが、遠近両用の老眼用コンタクトレンズです。

この記事では、老眼用コンタクトレンズの使用に興味がある方に向けて、その特徴や他のレンズ、老眼鏡との違い、価格やケア方法などを解説します。老眼のメカニズムや最近話題の「スマホ老眼」にも触れるので、「老眼なんてまだまだ」という方もぜひご一読ください。

■老眼の原因と症状

まずは、老眼の原因と症状を解説します。

◇老眼のおもな原因

老眼の原因は、目のピント調節機能の衰えです。

私たちは、「毛様体筋(もうようたいきん)」と呼ばれる筋肉で目のレンズ(水晶体)の厚みをコントロールして、遠くの物や近くの物にピントを合わせています。

しかし、年齢を重ねると水晶体の弾力性が失われ、毛様体筋の働きも低下します。すると、ピント調節に時間がかかったり、近くの物にピントが合わせづらくなってきたりするのです。

このように、加齢にともない目のピント調節がうまくいかなくなる状態が「老眼」です。だれもが経験する生理的な変化の一つで、病気ではありません。

◇老眼の代表的な症状

老眼になると、近くの文字が見づらくなったり、遠くの物と近くの物を交互に見る際にピントがなかなか合わなくなったりします。

また、「明るさが十分でないと本などの文字が読みにくい」 「近くを見る作業で目が疲れやすい」などの症状があらわれることもめずらしくありません。さらに、老眼鏡などを使わずに無理を続けると、肩こりや頭痛、吐き気などがあらわれる場合もあります。

なお、老眼と勘違いされやすい症状として「遠視」がありますが、両者はまったく違うものです。遠視は、網膜の後ろでピントが合う「屈折異常」で、水晶体や毛様体筋の加齢変化が原因ではありません。一方、老眼は加齢にともなうピント調節機能の衰えが原因で生じる「調節異常」です。老眼か遠視かわからない場合は、眼科で診察を受けることをおすすめします。

◇老眼をセルフチェックする方法

次は、老眼をセルフチェックする方法です。

老眼になっているかどうかをチェックする方法はいくつかありますが、以下のような症状がある場合は老眼の可能性があります。

l  細かい文字が見づらい

l  文字を打つ際に、以前に比べて誤字が多い

l  足の爪を切る際にピントが合いにくい

l  値札に書かれた値段を読み間違えることがある

l  料理をしながらレシピ本を見ると、文字が読みにくい

l  夕方以降の目の疲れがひどい

l  夜になると物が見えづらい

l  パソコンやスマートフォンを使うと、すぐに目が疲れる

l  目を使うと肩がこる

l  裁縫など細かい作業が苦手になってきた

上記に当てはまり、老眼が疑われる場合には、老眼鏡が必要かどうかも確認しましょう。

普段使っている眼鏡やコンタクトレンズをつけた状態で、人差し指を目の前に立ててください。そして、指を少しずつ目から離していき、初めて指紋が見えた距離を測ってみましょう。

指紋がはっきり見えるようになった位置が目元から30cm以上離れている場合は、老眼鏡が必要な状態といえます。早めに眼科を受診して、適切なケアを行なうようにしましょう。

■若い人も要注意!話題の「スマホ老眼」とは

老眼は、通常40代頃から発症するといわれていますが、最近は老眼と同じような症状があらわれる「スマホ老眼」に悩む方が増えています。

しかし、スマホ老眼の原因は加齢ではありません。では、どうして老眼と同じような症状があらわれるのでしょうか。本章では、スマホ老眼の症状や原因を、予防法と併せて見ていきましょう。

◇スマホ老眼とは

「スマホ老眼」とは、スマートフォンやパソコン、ゲーム機などによる目の酷使が原因で生じる一時的な目のピント調節機能の低下のことです。

スマホ老眼になると、手元が見にくくなったり、夕方になると物が見えにくくなったりするなど、老眼によく似た症状があらわれます

ただし、スマホ老眼は一般的な老眼とは異なり、年齢はあまり関係ありません。スマートフォンなどの電子機器をよく使う人であれば、10~30代くらいの若い方でも症状があらわれることがあります。

◇スマホ老眼のおもな原因

スマホ老眼は、目の酷使によって毛様体筋の働きが悪くなり、ピント調節がうまくいかなくなるために生じる症状です。また、スマートフォンやパソコンの液晶画面から発せられるブルーライトも、目に悪影響を与えるといわれています。

老眼とスマホ老眼の症状がよく似ているのは、「目のピント調節機能の低下」という共通の原因があるからでしょう。しかし、老眼とは異なり、スマホ老眼の症状は一時的で、目を十分に休ませれば改善します。

いずれにせよ、目の酷使やブルーライトで目に大きな負担がかかるのは良いことではありません。スマートフォンやパソコンを使う際には、目を使いすぎないように注意してください。

◇スマホ老眼を予防する方法

スマホ老眼を防ぐ方法はいろいろありますが、まずはスマートフォンやパソコンなどの長時間使用を控えるように意識してみてください。

仕事でパソコン画面を見る機会が多い場合は、1時間に1~2回ほど画面から目を離し、遠くを見つめて毛様体筋の緊張を和らげましょう。パソコンモニターを見るときは、画面から30cm以上顔を離すと良いとされています。ブルーライトカットグラスを使用するのもよいでしょう。

目のまわりを定期的に温めるのも良い方法です。血行が良くなり、毛様体筋がほぐれやすくなるため、スマホ老眼の予防につながります。また、目元を温めると、涙に含まれる油分が水分と混ざって乾きにくくなるため、ドライアイ対策にもなるでしょう。

さらに、目に良いとされるアントシアニンを豊富に含むブルーベリー、ルテインを含む緑黄色野菜を積極的に摂取して目の栄養を補うのもおすすめです。

その他、スマートフォンやパソコンの画面設定を変えるのも、スマホ老眼予防に役立ちます。

明るさは節電モードを解除して、最も見やすいと感じる明るさに設定し直しましょう。そして、文字サイズは少し大きめにします。さらに、白い背景に黒字の設定にすると、コントラストがはっきりして文字が読みやすくなるため、目が疲れにくくなります。

■老眼の方におすすめ!遠近両用コンタクトレンズ

加齢にともないあらわれる老眼は、遠近両用コンタクトレンズで矯正が可能です。ここからは、遠近両用コンタクトレンズの特徴と、一般的なレンズや老眼鏡との違いを見ていきましょう。

◇遠近両用コンタクトレンズの特徴

遠近両用コンタクトレンズには、1枚のレンズに近くを見るための度数と遠くを見るための度数が配置されています。

度数の分布はレンズにより異なりますが、ハードコンタクトレンズに多いのは、遠くを見る度数と近くを見る度数がはっきり分かれている「交代視型」と呼ばれるタイプです。交代視型レンズでは、視線を変えることで度数を使い分け、見づらさを解消します。

一方、ソフトコンタクトレンズに多いのは、「同時視型」と呼ばれるタイプです。同時視型は、レンズの中心から外側、あるいは外側から中心に向かって、近くを見る度数、中間の度数、遠くを見る度数が境目なく連続で配置されています。このタイプは、脳の「同時視」という機能を利用して、遠くと近くを無意識に使い分けられるように設計されているため、見え方にストレスを感じることはほとんどありません。

なお、老眼は65歳くらいまでは症状が進行するといわれています。そのため、度数変更を前提にレンズを選ぶほうが良いかもしれません。

◇普通のコンタクトレンズと遠近両用コンタクトレンズの違い

遠近両用ではない普通のコンタクトレンズの場合、度数の値は基本的に1つです。しかし、遠近両用コンタクトレンズでは、通常の度数のほかに「加入度数」と呼ばれる数値が存在します。

加入度数とは、近くを見るための度数と遠くを見るための度数の差をあらわしたものです。そのため、加入度数の数値が大きいほど度数の差が大きくなり、近くが見えやすくなります。

ただし、度数の大きさと見やすさは必ずしも相関しません。加入度数の合わないレンズを使っていると、目が疲れやすくなったり見づらさを感じたりするため、必ず眼科で診察を受けて目に合うレンズを処方してもらいましょう。

◇老眼鏡と遠近両用コンタクトレンズの違い

老眼鏡は、基本的に近くの物を見やすくするための道具です。当然のことながら、レンズの度数も近くを見るのに適したものになっています。度数により見え方が微妙に異なるため、目的ごとに数種類の老眼鏡を使い分けている方もいるようです。

しかし、老眼鏡をかけた状態で遠くを見ると、ピントが合わないためよく見えず、目に負担がかかってしまいます。そのため、遠くを見る場合は老眼鏡を外さなければなりません。

一方、遠近両用コンタクトレンズは、近くはもちろん遠くの物もよく見える構造になっているため、日常的に使用できます。使用に慣れてくれば、車の運転やスポーツなど、遠くを見ることが多い場面でも利用可能です。

また、コンタクトレンズならば、老眼鏡と異なり裸眼と同じように見えるため、見た目の変化も気になりません。

■老眼用使い捨てコンタクトレンズの価格はどれくらい?ケア方法は?

コンタクトレンズを新しく購入する際に、やはり気になるのが価格です。ここでは、老眼の進行に合わせて度数変更しやすい老眼用使い捨てコンタクトレンズの価格やケア方法を解説します。

◇老眼用使い捨てコンタクトレンズの価格

遠近両用コンタクトレンズの価格の目安は、ワンデータイプならば両眼30日分で10,000円前後、2weekタイプならば3ヵ月分で10,000円前後です。

レンズ1枚あたりの価格は2weekタイプのほうが安いため、装用する頻度が高い方は2 weekタイプ、使用頻度が週に数回程度の方はワンデータイプを選ぶとよいでしょう

◇使い捨て遠近両用コンタクトレンズのケア方法

ワンデータイプの遠近両用コンタクトレンズならば、レンズケアは必要ありません。

一方、2weekタイプの遠近両用ソフトコンタクトレンズの場合、装用後はレンズのケアが必要です。とはいえ、特別なケアは不要で、通常のソフトコンタクトレンズと同様のケアで問題ありません。しかし、正しくケアを行なわないと、レンズに汚れや雑菌が蓄積されるおそれがあるため、注意が必要です。

MPS(マルチ・パーパス・ソリューション)を使ってケアする場合は、まず、石けんで洗った清潔な手でレンズを外してください。その後、MPSをレンズに数滴垂らして20~30回程度こすり洗いを行ないます。両面をこすり洗いしたらMPSでレンズをすすぎ、ケースに入れて保管してください。

また、レンズを清潔に保つためには、レンズケースのケアも大切です。ケースは毎回使用後に水道水で洗い、しっかり乾燥させます。乾燥が難しい場合は、2つのケースを交互に使ってもよいでしょう。 ただし、ケースは少しずつ劣化するため、1ヵ月半~3ヵ月ごとに新しいものに交換してください。

■まとめ

今回は、老眼用の使い捨てコンタクトレンズの特徴や一般的なコンタクトレンズとの違い、価格やケア方法などを解説しました。

遠近両用コンタクトレンズには、ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズがありますが、いずれも1枚で近くも遠くも見えるように設計されています。使い捨て遠近両用コンタクトレンズの場合、ケアの手間がないワンデータイプとコストパフォーマンスの良い2weekタイプから選ぶことが可能です。

「老眼かな?」と思ったら、早めに眼科を受診して目に合うレンズを処方してもらいましょう。近くも遠くも見やすくなる遠近両用コンタクトレンズで、より快適な日々をお過ごしください。

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