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未使用のコンタクトは処分すべき?正しい捨て方を詳しく解説

未使用の古いコンタクトレンズの処分に困ったことはありませんか。

「使用期限が切れているけれど、まだ使えるよね?」「友達にあげようかな……」などと考える方もいるかもしれません。

また、「どうやって分別すればいいの?」と捨て方に悩むこともあるでしょう。

そこで今回は、未使用の古いコンタクトレンズの取り扱いに関する注意点と、正しく分別して捨てる方法を解説します。コンタクトケア用品の処分方法も説明しますので、ぜひ参考にしてください。

■未使用の古いコンタクトレンズはどうすればいい?

まず、未使用であっても、使用期限が切れているコンタクトレンズは使えません。これに対し、購入から長期間が経っていても、使用期限内で、かつ適切に保管されていたコンタクトレンズであれば、原則として使用はできます。

◇【使用期限が切れていない場合】冷暗所に保管

使用期限が切れていない未使用の古いコンタクトレンズを見つけた場合は、どのような場所に保管されていたかをチェックしましょう。

直射日光の当たらない室内で保管されていた場合は、使用期限まで使えます。予備としてストックしておく場合は、引き続き冷暗所に保管しましょう。なお、冷蔵庫で保管する必要はありません。

ただし、購入してから長期間経過している場合は、度数の変化も含め、目の状態が変わっている可能性があります。できれば眼科で診察を受けて、医師に使って良いかどうかを確認してから使うようにしましょう。

他方、直射日光の当たる場所・高温になる場所で保管されていたコンタクトレンズは、たとえ使用期限内でも処分してください。コンタクトレンズは比較的熱に強いとされていますが、パッケージや保存液は高温にさらされると変質するおそれがあります。コンタクトレンズにも影響がおよんでいる可能性があるため、使用するのは危険です。

◇【使用期限が切れている場合】未使用でも必ず処分

使用期限が切れているコンタクトレンズは、未使用でも必ず処分してください。

使用期限の切れたコンタクトレンズは、劣化が進み、酸素透過率や耐久性が低下しているおそれがあります。また、ブリスターケース内の保存液も、使用期限が切れると滅菌状態が保証されません。

このようなコンタクトレンズを誤って使用すると、酸素不足で目に障害が起きたり感染症をまねいたりすることもあるため、大変危険です。

目のトラブルを防ぐためにも、使用期限が切れているコンタクトレンズを見つけたらすぐに処分しましょう。

◇使用期限が切れていなくても他人にあげるのはNG!

適切に保管されていた使用期限内の未使用コンタクトレンズであっても、他人にあげてはいけません。

コンタクトレンズは、それぞれの人の目の形状や度数、目の状態に合わせて処方されるものです。視力がほとんど同じであっても、その他のデータや目の状態がすべて一致するとは限りません。

眼科を受診せずに購入したコンタクトレンズも同様です。あなたの目に合うコンタクトレンズが、ほかの人に合うとは限りません。

合わないコンタクトレンズを使用すると、見え方が悪くなるだけでなく、眼病や体調不良、視力低下などを引き起こすこともあります。

したがって、使用期限が切れていない未使用レンズでも、ほかの人にはあげないでください。

■未使用のコンタクトレンズはそのまま捨ててもいいの?

それでは、未使用のコンタクトレンズはどのように捨てれば良いのでしょうか。ここでは、コンタクトレンズをそのまま捨ててはいけない理由も併せて解説します。

◇未使用のコンタクトレンズは分別して処分

未使用のコンタクトレンズは、きちんと分別して捨てなければいけません。

コンタクトレンズの素材は、基本的にプラスチックです。また、外箱は紙、ブリスターケースはプラスチック(おもにポリプロピレン)、ブリスターケースを覆っている蓋部分はアルミ素材でできています。これらはそれぞれ処分方法が異なるうえに、分別すればリサイクルに活用できるものもあります。

自治体により分別の方法は多少異なりますが、必ず決められた方法で分別・処分するようにしてください。

◇【要注意】コンタクトレンズを排水溝に流すのはNG

特に注意しなければならないのが、コンタクトレンズの捨て方です。

使用済みであっても未使用であっても、コンタクトレンズを洗面所などの排水溝に流してはいけません。一度に何枚ものコンタクトレンズを流すと、配水管が詰まるおそれがあります。

だからといって、トイレに流すのもいけません。トイレの排水管は、プラスチックのように水に溶けないものを流す仕様になっていないからです。

排水溝に流されたコンタクトレンズは、下水処理場にたどり着いたあと細かく砕かれ、マイクロプラスチックとして海などに放出されるおそれがあります。このマイクロプラスチックは自然界で分解されることはありません。

海に放出されたマイクロプラスチックが、魚などの体内に入ると、内臓を傷付けたり、命を奪ったりする場合もあります。また、食物連鎖を介して人間の体内に蓄積する可能性も否定できません。

地球環境を守るためにも、コンタクトレンズは正しく処分するようにしましょう。

■未使用のコンタクトレンズの処分方法

ここからは、未使用のコンタクトレンズを分別して捨てる方法を解説します。

◇コンタクトレンズ:燃えるゴミ

コンタクトレンズは、使用済みであっても未使用であっても、基本的に「燃えるゴミ」として処分してください。ブリスターケース内の保存液は、排水溝に流すか、古紙や古布などに染み込ませて「燃えるゴミ」として処分すれば大丈夫です。

ただし、コンタクトレンズはそのまま捨てると、ほかのものに付着したり乾燥して割れたりする場合があります。確実に捨てるために、ティッシュなどにくるんでから捨てるようにしましょう。

なお、自治体によってはコンタクトレンズを「燃えないゴミ(不燃ゴミ)」に分類している場合もあります。必ず自治体の指示にしたがって、正しい方法で捨てましょう。

◇ブリスターケース:蓋とケースに分別

ブリスターケースは、蓋とケースを完全に分離してから処分してください。

蓋はアルミ素材でできているため、「燃えるゴミ」として処分します(自治体によっては「不燃ゴミ」として処分)。

ケースは、リサイクルに適したポリプロピレンという素材で作られているため、「プラスチック容器包装ゴミ」として回収に出してください。ケースについては、企業などが回収している場合もあるため、そちらを利用してもよいでしょう。

◇外箱:雑がみ

外箱は、汚れていなければ「雑がみ」としてリサイクルできます。プラスチックフィルムなど、紙以外のものが付いている場合は取り除き、平たく潰してから回収に出しましょう。

ただし、洗剤などの強いニオイが付いている場合や、油などで汚れている場合は、古紙としてリサイクルできません。このような場合は、「燃えるゴミ」として処分してください。

■コンタクトケア用品も正しく分別して処分しよう

デイリーケアに欠かせないコンタクトケア用品を捨てる際にも、ゴミの分別は必要です。

迷ったらリサイクルマークなどを確認して、正しく分別・処分しましょう。

◇洗浄液・保存液

コンタクトレンズの洗浄液や保存液は、排水溝に流して捨ててください。そのまま流すことに抵抗がある場合は、古紙や古布などに染み込ませてから「燃えるゴミ」として処分しましょう。

ただし、過酸化水素水系の洗浄液は、中和剤で中和してから排水溝に流してください。中和剤がない場合や足りない場合は、古紙や古布などに染み込ませて「燃えるゴミ」として処分するとよいでしょう。

◇外箱や洗浄液などのボトル

洗浄液や保存液の外箱は、紙製であれば「雑がみ」としてリサイクルできます。ただし、汚れている場合は「燃えるゴミ」として処分してください。

洗浄液や保存液の入っているボトルは、中身を捨てて水できれいに洗い流してから「プラスチック容器包装ゴミ」としてリサイクルに出しましょう。ラベルが付いている場合は、ラベルの分別も忘れないでください。

◇レンズケース

レンズケースはプラスチックでできていますが、商品の容器包装ではなく、商品が消費された場合に不要になるものでもないため、「プラスチック容器包装ゴミ」には該当しません。基本的には「燃えるゴミ」として処分されます。

ただし、自治体によっては「燃えないゴミ(不燃ゴミ)」に分類されることもあるので、わからない場合は自治体に確認して適切に処分してください。

■まとめ

使用期限が切れていない未使用のコンタクトレンズは、保管状況が適切であれば、その後も使用できます。しかし、使用期限が切れている場合は、未使用であっても処分が必要です。また、使用期限が切れていない場合でも、ほかの人にあげてはいけません。

コンタクトレンズやレンズケア用品を捨てる際は、リサイクルマークなどを確認しながら正しい分別・処分を心がけてください。

ただし、ゴミの分別方法は自治体によって異なります。捨て方に迷う場合は自治体のホームページなどで確認して、間違った方法で捨ててしまうことがないようにしましょう。

公開日:2023/5/18