コンタクトレンズを購入する際には、眼科を受診して処方箋を発行してもらわなければなりません。しかし、どこでコンタクトレンズを購入するかは、基本的にコンタクトレンズの利用者自身で決められます。
コンタクトレンズを購入できるのは、眼科やコンタクトレンズ専門店、インターネット通販などですが、目の健康を守るためにはそれぞれの特徴を知っておかなければなりません。
そこで本記事では、購入経路別のメリット・デメリット、注意点などについて紹介します。
最初に、受診した眼科でコンタクトレンズを購入する場合のメリット・デメリット、注意点を見ていきましょう。
眼科でコンタクトレンズを購入する場合は、眼科医が目の状態を診察したうえでコンタクトレンズを処方してくれます。そのため、「度数が合わない」「レンズが目にフィットしない」などのトラブルは生じにくいでしょう。
必要に応じて治療や薬の処方などにも対応してくれるため、目の健康を維持しやすいメリットもあります。
また、眼科ではコンタクトレンズの着脱方法や正しいレンズケアの方法なども教えてもらえるため、初めてコンタクトレンズを使用する方でも安心です。
さらに、眼科でコンタクトレンズを購入する場合は、処方箋を持って販売店に行く手間がありません。在庫があればその日のうちにコンタクトレンズが手に入るため、とても便利です。
眼科でコンタクトレンズを購入する場合は、開院時間に合わせて受診しなければならないため、スケジュール調整が必要になります。
ただ、自宅や職場の近くにある眼科クリニックなら、開院時間に合わせて受診しやすいでしょう。コンタクトレンズを使用している間は定期的な眼科受診が欠かせないため、通いやすい眼科を探しておくことが重要です。
また、眼科でコンタクトレンズを購入する場合は、診察にそれなりの時間がかかることを覚悟しなければなりません。
もっとも、2回目以降のコンタクトレンズ購入では簡単な診察で済む場合がほとんどです。混雑を避けたい場合は、比較的空いている曜日や時間帯をクリニックに確認しておくとよいでしょう。
なお、眼科でコンタクトレンズを購入する際には、コンタクトレンズ代とは別に診察料がかかります。ただし、診察には保険が適用されるため、高額になることはまずありません。負担割合が3割の場合は、初診で1,500円程度、2回目以降は数百円程度で済みます。
コンタクトレンズを眼科で購入したい場合は、受診前に電話などで購入できるかどうかを確認しておきましょう。クリニックによっては、コンタクトレンズの販売を行なっていない場合もあります。
また、取り扱っているコンタクトレンズはクリニックによって異なります。希望の商品がある場合は、診察を受ける前に取り扱いの有無をチェックしておきましょう。
さらに、コンタクトレンズ処方の受付時間を確認しておくことも大切です。特に初診の場合は、診察や装用練習に時間がかかるため、受付時間の締め切りが診察終了時刻より早めに設定されていることがあります。
なお、コンタクトレンズの購入に保険は適用されませんが、診察には保険が適用されます。保険証がないと診察料が全額自己負担になってしまうため、必ず保険証を持参してください。
コンタクトレンズ専門店にはどのような特徴があるのでしょうか。こちらも、メリット・デメリット、注意点に分けて見ていきましょう。
コンタクトレンズを専門店で購入する場合、在庫があればその日のうちに商品が手に入ります。眼科で発行された処方箋を持参すれば、スタッフが指定の商品を用意してくれるため、誤ったコンタクトレンズを買うリスクはほとんどありません。
また、クーポンやポイントが利用できる店舗もあるため、コスト面でもメリットがあります。
さらに、対面販売なので、気軽に目やコンタクトレンズの悩みをスタッフに相談できるのも大きな魅力です。近隣に眼科がある店舗なら、必要に応じて受診を促してもらえるため、より安心して利用できるでしょう。
専門店でコンタクトレンズを購入する場合も、店舗の営業時間に合わせて出向かなければならないため、忙しい人はスケジュールを調整しなくてはなりません。
ただ、コンタクトレンズ専門店は、眼科と違って土日に営業している店舗も多数あります。したがって、年中無休で営業時間が長い店舗を選べば、それほどストレスは感じないでしょう。
また、専門店であってもユーザーが希望するすべての商品がそろっているわけではありません。在庫切れの場合は取り寄せになるため、二度手間になる場合があります。ただし、取り置きサービスや宅配サービスが利用できる店舗もあるため、近隣の専門店で便利なサービスがないか、あらかじめチェックしておくとよいでしょう。
さらに、専門店では、人件費などの店舗運営費がコンタクトレンズの商品代金に上乗せされているため、価格はインターネット通販に比べて高めです。ただし、セールやクーポン配布などを実施している店舗もあり、上手に利用すれば比較的安価に購入できます。
なお、コンタクトレンズ専門店のスタッフは医師ではないため、アドバイスはできるものの、診察、治療、薬の処方はできない点も覚えておきましょう。
コンタクトレンズは、高度管理医療機器に分類されます。目の健康を守るために、コンタクトレンズは必ず「高度管理医療機器等販売業」の許可を得ている店舗で購入しましょう。通常、許可証は購入者が確認しやすい場所に掲示されています。
また、自己判断でコンタクトレンズを選ぶと、目の健康を損なうおそれがあるため、コンタクトレンズの度数や種類を勝手に変更するのはおすすめできません。コンタクトレンズの変更を希望する場合は、眼科で診察を受けて処方箋の発行を受けてください。
処方箋には有効期間があります。処方箋を受け取ったら、早めにコンタクトレンズを購入しましょう。
なお、目に何らかの異常がある場合は、速やかに眼科を受診して適切な治療を受けてください。特に気になる症状がない場合でも、3ヵ月に1回は眼科を受診して目の健康状態をチェックしてもらいましょう。
最近は、手軽に利用できるインターネット通販でコンタクトレンズを購入する人も少なくありません。しかし、通販でコンタクトレンズを購入する場合は、眼科や専門店で購入する場合とは別の注意が必要です。
コンタクトレンズをインターネット通販で購入する場合、外出のために時間を割く必要がなく、利用時間も気にする必要がない点がメリットです。通信環境さえ整っていれば、時間・場所を選ばずにコンタクトレンズを購入できます。
また、インターネット通販は取り扱っているコンタクトレンズの種類が豊富で、在庫も多数用意しています。そのため、品切れのリスクはあまりありません。たとえ在庫がなくて取り寄せになっても、指定した住所に商品を配送してくれるためとても便利です。
さらに、専門店に比べて店舗の維持費や人件費などがかからないため、コンタクトレンズの価格が安く設定されている傾向にあります。セット購入や定期購入などお得なサービスが用意されている場合も多いため、コストを気にする方にもおすすめです。
コンタクトレンズ通販では注文を受けてから商品を発送するため、手もとに届くまでに数日はかかります。そのため、すぐにコンタクトレンズが欲しい場合には不向きです。
また、通販ではコンタクトレンズのデータを自分で入力しなくてはならないため、注文ミスをしないように気を付けなければなりません。
さらに、通販の利用に慣れていないと、信頼できるサイトを見分けられなかったり、厚生労働省の承認を得ていない海外製品を誤って購入したりするおそれがあります。海外製品を使用した場合、眼障害が生じても自己責任になるため注意が必要です。
通販でコンタクトレンズを購入する際は、「高度管理医療機器等販売業許可番号」の記載があるサイトを選んでください。許可番号の記載がないサイトでは、本来コンタクトレンズの販売はできないため、許可番号のチェックはとても重要です。
高度管理医療機器等販売業許可番号は、「特定商取引法に基づく表記」や「会社概要」のページなどに記載されています。
また、コンタクトレンズは、日本の安全基準を満たしている「医療機器承認番号」が付記されている商品を選びましょう。「医療機器承認番号」は、各コンタクトレンズの詳細ページに記載されています。
なお、通販でコンタクトレンズを購入する場合も、眼科で処方箋の発行を受けることはとても大切です。専門店でコンタクトレンズを購入する場合と同様に、自己判断でコンタクトレンズを選んだり変更したりするのは避けましょう。
そして、目に異常がある場合は眼科を必ず受診してください。異常がない場合でも3ヵ月に1回は眼科を受診し、安全にコンタクトレンズを使用しましょう。
コンタクトレンズは、眼科やコンタクトレンズ専門店、インターネット通販などで購入できます。それぞれにメリットやデメリット、注意点がありますが、価格だけではなく、ライフスタイルや利用しやすさなども考慮して購入方法を選びましょう。
とはいえ、最も大切なのは、目の健康を守りながらコンタクトレンズを装用することです。どの方法で購入する場合でも、3ヵ月に1回は眼科を受診し、目の状態に応じたコンタクトレンズを処方してもらってください。
更新日2023/7/28