カラコン装用時に、目の痛みや違和感を覚えることはありませんか。
カラコンによる目の痛みは、レンズや目にトラブルが生じているサインです。しかし、痛みの原因は人によって異なります。また、原因に応じた正しい対処をしなければ、痛みの解消にはつながりません。
そこで今回は、カラコンで目が痛くなるおもな原因と対処法を解説します。カラコンを快適に装用するコツも紹介しますので、カラコン装用時の不快感にお悩みの方はぜひ参考にしてください。
カラコンによる目の痛みを解消するためには、そもそもどのような場合に痛みが生じやすいのかを知っておかなければなりません。ここでは、カラコンで目が痛くなるおもな原因を挙げますので、自分がどのケースに当てはまるのかチェックしてみましょう。
目に合わないカラコンを使うと、目に痛みが生じることがあります。特に問題となるのが、BC(ベースカーブ:レンズの曲がり具合を表す数値)やDIA(ダイアメーター:レンズの直径)、含水率(レンズに含まれる水分の割合)です。
BCが小さすぎると、目が圧迫されて締め付け感や痛みを覚えることがあります。逆にBCが大きすぎるとカラコンが安定せず動きやすくなるため、きちんと洗われていない手で装用しなおそうとすると、菌が目に入るなどのリスクが上がるでしょう。
また、カラコンのDIAが大きすぎると目に酸素が届きにくくなるため、目に負担がかかって痛みを感じることも少なくありません。
含水率は、高いと装用感が良くなりますが、目の乾燥をまねきやすくなります。一方、含水率の低いカラコンは、目の乾燥は少なめですが酸素透過率が低くなる傾向にあります。いずれにしても、目の状態と含水率が合っていないと、目に痛みを感じることがあります。
カラコンの裏表が間違っている場合も、目に痛みを感じやすくなります。
カラコンは軟らかい素材で作られているため、ケースやパッケージのなかで反転することも珍しくありません。
しかし、裏返しになっていることに気付かずカラコンを装用すると、レンズのカーブが目にうまくフィットしなくなります。これは、BCの合わないコンタクトレンズを使用しているのと同じ状態です。
反転したまま装用を続けると、まばたきの際にカラコンがずれて目に痛みが生じたり、傷が付いたりする場合もあります。
カラコンの汚れが、目の痛みの原因になる場合もあります。
ほこりやまつ毛などがカラコンと目の間に入ると、目に痛みを感じることがあります。メイクをしている場合は、ファンデーションやマスカラなどによる汚れにも気を付けなければいけません。
また、カラコンの洗浄が不十分だと、レンズに残っているタンパク汚れで痛みが生じることがあります。たとえカラコンをきれいに洗浄していても、すすぎが不十分で洗浄液が残っていると目に痛みを感じることがあるため、注意しなければなりません。
カラコンの乾きも、目が痛くなる原因の一つです。
カラコンが乾燥すると、レンズの水分不足を補うために涙が吸収されます。すると目が涙不足の状態になるため、痛みや異物感が生じやすくなります。
また、カラコン装用時の目の乾きにも注意が必要です。目が乾いていると、まばたきの際に目とカラコンの間、あるいは上まぶたの裏側とカラコンの間に摩擦が生じて、痛みを感じることがあります。
目に傷が付いていると、カラコンを装用しているときだけではなく、外したあとも痛みが続く場合があります。
これまでに紹介した4つの原因は、いずれも目に傷が付く原因になりうるものです。また、カラコン装用にともなう酸素不足で角膜(黒目の部分)にトラブルが生じると、痛みを感じることがあります。
角膜のトラブルは失明につながることもあるため、放置するのは大変危険です。
カラコンによる目の痛みの原因が明らかになれば、対処法もわかってきます。痛みを放置しないためにも、原因に応じた正しい対処法を理解しておきましょう。
眼科を受診せず、自己判断で購入したカラコンや友達からもらったカラコンを使って目に痛みが生じている場合は、レンズのサイズや種類が目に合っていない可能性があります。
そのような場合は、すぐにカラコンの使用をやめて、眼科で目に合うカラコンを処方してもらってください。眼科を受診すれば、度数やBCだけでなく、涙や目の状態も確認したうえで目に合うカラコンを処方してもらえます。
カラコンの処方に対応している眼科がわからない場合は、コンタクトレンズ専門店で紹介してもらうとよいでしょう。
いつも使っているカラコンで目の痛みを感じる場合は、レンズが反転している可能性も疑ってみてください。
カラコンを指先に乗せたときに、きれいなお椀型になっていれば反転していませんが、縁の部分が外側に反っている場合は裏表が逆になっています。
なお、装用中のカラコンをいったん外して裏表を確認した場合は、再装用する前に必ず洗浄してください。ただし、ワンデータイプのカラコンは再装用できません。カラコンを無駄に消費しないためにも、装用前に裏表を確認するのを習慣にしましょう。
カラコンの汚れで目に痛みが生じていると考えられる場合は、カラコンを外してしっかり洗浄・消毒を行なってください。その際、浸け置き洗浄だけでは不十分です。こすり洗いを併用して、しっかり汚れを落としてください。汚れがひどい場合は、タンパク除去剤も使いましょう。
ただし、どれほど丁寧に洗浄・消毒している場合でも、使用期間の過ぎたカラコンは廃棄してください。使用期間の過ぎたカラコンは、汚れが蓄積していたり酸素透過性が低下していたりするため、目に障害をまねくおそれがあります。
なお、カラコンを清潔に保つためにはレンズケースの洗浄や乾燥も大切です。レンズケースは3ヵ月に1回は交換して、常にきれいな状態を保ちましょう。
目やカラコンの乾きが気になる場合は、目薬や装着液を使って瞳の潤いをキープしましょう。たとえ痛みがない場合にも、目の潤いを保つために目薬や装着液を使うのはおすすめです。
ただし、どの目薬や装着液でもいいわけではありません。カラコンに対応していない目薬や装着液を使うと、レンズの変形や変色をまねいたり、目の痛みをともなう眼障害を引き起こしたりすることがあります。
そのため、目薬や装着液を購入する際は、カラコンに使えるかどうかを必ずチェックしてください。
上記の4つの方法を試しても目の痛みが続く場合は、目に何らかのトラブルが生じているおそれがあります。放置すると、さらに症状が悪化してカラコンが装用できなくなったり、失明したりする可能性も否定できません。
最悪の事態を避けるためにも、カラコンの装用をすぐに中止し、眼科を受診して目の状態を確認してもらいましょう。
最後に、目のトラブルを避けてカラコンを快適に使用するコツをいくつか紹介します。
カラコンによる目の痛みを予防して快適に使うためには、清潔を心がけることがとても大切です。
まず、カラコンを触る前には石鹸などできれいに手指を洗い、しっかり汚れを落としてください。手指が汚れていると、カラコンが汚れて痛みや感染症の原因になります。
そして、カラコンを外したらこすり洗いをして、汚れや微生物をきちんと取り除いてください。洗浄液や消毒液は使い回しをせず、毎回新しいものを使いましょう。
また、カラコンを清潔に保つために、レンズケースは使うたびに洗浄・乾燥させてください。もっとも、きちんとケアしても長期間使用したレンズケースは汚れや傷が付いています。したがって、3ヵ月に1回は新しいレンズケースに交換してください。
カラコンによる目のトラブルを防ぐためには、扱いやすさや目に対する優しさにも配慮してレンズを選ぶ必要があります。
例えば、ワンデータイプのカラコンはデイリーケアが不要で毎回清潔なレンズが使えるため、レンズケアが苦手な方におすすめです。カラコンの汚れが気になる場合は、汚れを引き寄せにくい非イオン性素材のカラコンを選ぶとよいでしょう。
酸素不足による目のトラブルが心配な場合は、酸素透過率の高いカラコンを選んでください。目が乾きやすい場合や涙の量が少ない場合は、乾燥しにくく涙の吸収量も少ない低含水レンズがよいでしょう。
カラコンに限らず、コンタクトレンズを使用していると、自覚のないまま眼障害が進んでいることがあります。そのため、目に痛みなどの異常がなくても3ヵ月に1回は眼科を受診して、目の健康状態をチェックしてもらってください。
定期的に眼科を受診すれば、たとえ目にトラブルが生じていても早期発見できます。また、そのときの目の状態に応じたカラコンを処方してもらえるため、一石二鳥です。
カラコンで目が痛くなるときには、レンズや目に何かしらのトラブルが起こっていると考えられます。
カラコンに原因がある場合には、目に合うレンズを正しく装用し、丁寧な洗浄・消毒を心がければ痛みは解消されるでしょう。目やレンズの乾燥が原因である場合には、目薬や装用液を使うことで痛みを緩和できます。
しかし、目に付いた傷が原因で痛みが生じている場合は、これらの方法で痛みを改善することはできません。目の傷を放置すると重篤な眼障害をまねくこともあるため、痛みが続く方は、できるだけ早く眼科を受診して適切な治療を受けてください。
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公開日:2023/9/26