ホットアイマスクは、手軽に利用できるリラックスアイテムの一つです。目もとがじんわりと温まって気持ち良くなるため、疲れたときのスペシャルケアとして活用している方も多いのではないでしょうか。
実は、ホットアイマスクは目の疲れだけではなく、ドライアイ対策の効果も期待できます。ただし、目もとを温めるアイテムであるがゆえに、使用を避けなければならない場合もあります。
そこでこの記事では、ホットアイマスクで期待できる効果や避けるべき症状、目の疲れが続く場合の対処法などを解説します。ホットアイマスクの種類や特徴、ホットアイマスクが手もとにない場合の代替方法も紹介するので、日頃のアイケアの参考にしてください。
ホットアイマスクとは、目もとをやさしく温めるアイマスクです。
さまざまなタイプが販売されていますが、主流なのは充電タイプ・電子レンジで温めるタイプ・使い捨てタイプの3種類です。
◇充電タイプ:使う頻度が高い方におすすめ
充電タイプのアイマスクは、繰り返し使えることが大きなメリットです。そのため、使う頻度が高い方に向いているでしょう。
最近は、USB充電に対応したものが多数販売されています。タイマー設定や温度調節ができるものなどもあり、ほかのタイプに比べて多機能な点も特長です。カバーや本体が洗濯できるものもあるため、衛生面でも優れています。
なお、電気を使うタイプのアイマスクには充電式のほかに給電式がありますが、給電式は使用時にコードを付けたままにしなければならず、使う場所が制限されます。その点、充電式は使う場所を選ばずコードが首に巻き付くリスクがないため、横になった姿勢でも使用可能です。
電子レンジで温めるタイプは比較的価格が低く、安価なものは数百円程度で購入できます。また、繰り返し使えるため、コストパフォーマンスを重視する方におすすめです。
電子レンジで温めるホットアイマスクは、小豆入りのものとジェルタイプの2種類が主流です。
小豆入りのものは適度な重さがあり、目もとにやさしくフィットします。小豆に含まれる水分が蒸気になって出てくることで、目もとがじんわりと温かくなります。
ジェルタイプのものは温めても冷やしても使えるものが多く、目の状態に応じた使い分けができます。温冷兼用のものは一年中使えるため、経済的です。
使い捨てタイプは、パッケージ開封後にすぐ使える1回使い切りのホットアイマスクです。充電したり電子レンジで温めたりする手間がなく、コードなどが不要で持ち運びしやすいため、オフィスや旅行先などでも手軽に使えます。
また、使い捨てタイプは香り付きのものも多数販売されています。気分に合わせて商品を選べば、リラックスタイムがさらに充実するでしょう。
手もとにホットアイマスクがない場合は、蒸しタオルで代用可能です。
蒸しタオルは、水で濡らしたタオルを絞り、電子レンジで加熱して作れます。熱くない程度まで冷ましたら適当な大きさにたたみ、目の上にのせて数分間リラックスしましょう。
蒸しタオルを作るのが面倒な場合は、入浴時やシャワー時に目のまわりを温めるのもおすすめです。
それでは、ホットアイマスクで目もとを温めると、どのような効果が期待できるのでしょうか。3つの効果を紹介します。
ホットアイマスクを使って目もとが楽になったり気持ち良くなったりするのは、目の疲れが軽減されるためです。
もちろん、ホットアイマスク自体には目の疲労回復効果はありません。しかし、ホットアイマスクを使うと目のまわりが温められて血管が広がり、血行が良くなります。その結果、筋肉の緊張がほぐれてコリが解消され、目の疲れが軽減します。
目の疲れがひどくなると、首や肩が凝ったり、頭痛や吐き気などを感じたりすることがあります。これらは目の疲れに由来する症状なので、睡眠や休息を取るだけでは十分な回復が期待できません。
しかし、ホットアイマスクで目の疲れが軽減されれば、首や肩のコリ、頭痛などの症状もやわらいでいきます。定期的にホットアイマスクを使って目の疲れをリセットすれば、これらの不快な症状だけではなく、疲れ目による集中力の低下や不眠などの解消にもつながるでしょう。
ホットアイマスクの使用には、ドライアイ症状の改善効果も期待できます。
ドライアイは、目の使いすぎや空気の乾燥、まばたき不足などで起きることがありますが、マイボーム腺(まつ毛の生え際の奥にある油分を分泌する器官)の詰まりも原因の一つです。
そこで、ホットアイマスクを使って目もとを温めると、マイボーム腺の詰まりが解消されます。その結果、油分の分泌が促されるため、必要以上に涙が蒸発するのを防ぐことが可能です。
目もとを温めてマイボーム腺の詰まりを取り除く方法は、「マイボーム腺機能不全診療ガイドライン」でも推奨されています。
目の疲れを癒やす際にホットアイマスクは便利なアイテムですが、目や目もとの状態によっては使用を避けなければなりません。特に注意が必要なのは、目が充血しているとき、目もとの肌に問題があるとき、まつ毛パーマをしているときなどです。
ホットアイマスクには、目もとを温めて血管を広げる作用があります。そのため、結膜炎や寝不足などで目が充血しているときに使うと、血管がさらに広がって症状がひどくなるおそれがあります。
このような場合は、目もとを温めるのではなく、冷やして炎症を抑えるのがおすすめです。打撲による痛みや腫れなどがある場合も、冷やすほうがよいでしょう。
◇目もとの皮膚に赤みやかぶれがある場合は使用を避ける
目もとにキズがある場合や炎症・腫れがある場合、湿疹などがある場合も、温めるのはおすすめできません。このような箇所にホットアイマスクを当てると、かえって症状が悪化することがあります。
また、ホットアイマスクの使用にともなって、かゆみや湿疹、赤みなどが生じた場合も使用は中止してください。肌の状態が改善しないなら、医療機関を早めに受診して適切な治療を受けましょう。
まつ毛パーマやエクステ、付けまつ毛などをしている場合も、ホットアイマスクの使用はおすすめできません。
特にまつ毛パーマやエクステなどをした直後は、ホットアイマスクで温められたグルーが揮発して、かぶれやアレルギー症状を引き起こすことがあります。したがって、施術当日および翌日は、ホットアイマスクの使用を避けてください。
なお、施術から数日が過ぎていても、熱の影響でパーマが取れたりカールに影響したりする可能性は否定できません。どうしてもホットアイマスクを使いたい場合は、目もとが覆われていないタイプの商品を選ぶとよいでしょう。
目もとの血行不良や筋肉のコリなどは、ホットアイマスクの利用でやわらげることができます。しかし、目の疲れの原因そのものが取り除かれるわけではないため、根本的な解決にはつながりません。
したがって、ホットアイマスクを使っても目の疲れが続く場合は、以下のような対策を試してみましょう。
パソコンやスマートフォンなどの画面を長時間見続けると、目の筋肉の緊張が続いて目が疲れやすくなります。パソコンやスマートフォンの画面から出るブルーライトも、疲れ目の原因の一つです。心当たりのある方は、適度に休憩して目を休めましょう。
目を使いすぎないためには、1時間のパソコン作業につき15分ほど目を休めるのが理想です。休憩を取るのが難しい場合は、窓の外の景色を見る、トイレに行く、コピーを取りに行くなどして、長時間ディスプレイを見続けないようにしましょう。
目の病気が原因で、目が疲れることもあります。目の疲れの原因となりうる病気として挙げられるのは、ドライアイ、緑内障、白内障などです。
ドライアイの原因はマイボーム腺の詰まり以外にも多数あるため、ホットアイマスクで症状が改善しない場合は眼科受診をおすすめします。
緑内障・白内障は、早めに治療をすれば進行を抑えられる場合もありますが、放置すると視力が低下したり失明に至ったりすることもあります。症状によっては手術が必要になることもあるため、早めに眼科を受診しましょう。
メガネやコンタクトレンズの度数が合っていないと、ピントを調節する際に目に大きな負担がかかるため、目が疲れやすくなります。また、コンタクトレンズによる目の乾きや酸素不足なども、疲れ目をまねくことがあります。
このような不都合を防ぐためにも、定期的に眼科を受診して目の健康状態を診察してもらうようにしましょう。
コンタクトレンズを使っている場合は、3ヵ月に1回は眼科を受診してください。眼科受診時に目の状態に応じたコンタクトレンズを処方してもらえば、目の疲れ予防にもつながります。
目もとをやさしく温めるホットアイマスクは、血行を良くして筋肉の緊張をほぐしてくれる便利なアイテムです。さまざまな種類がありますが、使う頻度やコストパフォーマンスなどを考慮して、使い勝手の良いものを選びましょう。
ただし、目が充血している場合や目もとの皮膚にキズ・炎症などがある場合は、ホットアイマスクの使用を避けてください。また、ホットアイマスクを使っても目の疲れが続く場合は、早めの眼科受診をおすすめします。
メガネやコンタクトレンズの度数が合っていない場合も目が疲れやすくなるため、目の疲れに気付いたら度数について眼科医に相談してみましょう。
更新日:2024/12/25