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コンタクトレンズの「BC」とは?正しいBCの選び方とBCが合わない場合のリスクを解説

コンタクトレンズを選ぶ際には、度数以外にもさまざまなレンズデータを知っておかなければなりません。

レンズデータのなかで、特にコンタクトレンズのフィット感に大きな影響をおよぼすのが「BC(ベースカーブ)」と呼ばれるデータです。正しいBCを知らないまま、通販などで適当に選んだコンタクトレンズを使用すると、違和感や痛みで目に負担をかけてしまいます。

そこで今回は、BCの意味と正しいBCを知る方法、BCが合わない場合にあらわれやすい症状やリスクなどについて解説します。

■コンタクトレンズ選びに欠かせないBC(ベースカーブ)とは?

BCとは「Base Curve(ベースカーブ)」の略語で、コンタクトレンズの曲がり具合を数値であらわしたものです。通常はミリメートル(mm)で表記され、数値が大きいほどカーブは緩やかになり、小さいほど曲がり具合がきつくなります。

例:BC8.6のコンタクトレンズの場合

レンズ内側(目に接する側)の曲がり具合が、半径8.6mmの円のカーブと同じ。

コンタクトレンズのBCが目のカーブに合っていないと、レンズがずれたり貼り付いたりしやすくなるほか、痛みを感じる場合もあります。そのため、コンタクトレンズを購入する際には、正しいBCを知っておくことがとても大切です。

■コンタクトレンズのBCを知る方法

それでは、正しいBCを知るにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、BCを知る方法や数値の確認方法、日本人の平均的なBCを紹介します。

◇BCを知るためには、眼科受診が必要

BCを自分で測定することはできません。正しいBCを知るためには、眼科受診が必要です。ご自身のBCがわからない方、あるいは測ったことがない方は、眼科で適切な検査を受けて正確な数値を把握してください。

ただし、BCだけでは目に合うコンタクトレンズは選べません。

なぜなら、コンタクトレンズはメーカーや商品が変わると、レンズの厚さや軟らかさ、装用感なども変わるからです。特に、ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズは素材も形状も大きく異なるため、BCの数値も違ってきます。

そのため、現在使用しているコンタクトレンズのBCがわかっていても、レンズを変える際には、眼科で再度検査を受けることをおすすめします。

◇BCの数値の見方と日本人の平均値

目に合うコンタクトレンズを購入するためには、BCの数値の正しい見方を理解しておかなければなりません。

ここでは、BCの数値の見方をはじめ、日本人のBCの平均値、カラコンのBCについて解説します。

・数値の見方

BCは、コンタクトレンズのパッケージに記載されています。お手元にパッケージがある場合は、一度確認してみてください。

一般的なソフトコンタクトレンズの場合、BCは2~3種類から選べます。しかし、最近はワンサイズのみのレンズも少なくありません。

BCが目にフィットしているかどうかを自分で判断するのは難しいため、初めてコンタクトレンズを使う場合は、必ず眼科で検査を受けてください。また、レンズを変更する場合においても、現在のBCを正確に把握するためにも、検査を受けるようにしましょう。

・日本人の平均値

諸外国の人たちと比較して日本人の眼球は大きめで、平均的な日本人のBCは8.6~8.7mmといわれています。

もちろん、これはあくまで平均値にすぎません。なかには8.3mmという人もいれば8.9mmという人もいます。多くのコンタクトレンズメーカーでは、日本人の平均値に合わせてBCが8.3~8.9mmのレンズを製造・販売していますが、取り扱いが多いのは8.6または8.7mmのものです。

・カラコンのBC

カラコンも基本的には一般のコンタクトレンズと同じで、BCが8.6~8.7mmのレンズが主流です。

せっかく選んだお気に入りのカラコンでも、BCが合わないと違和感を覚えたりずれたりすることがあります。カラコンを購入する際も眼科を受診して、目に合うものを選ぶようにしましょう。

■【種類別】コンタクトレンズのBCが合っていないサイン

では、BCが合わないコンタクトレンズを装用すると、具体的にどのようなトラブルが生じるのでしょうか。

ここからは、BCが合わない場合にあらわれやすい「サイン」を、コンタクトレンズのタイプ別に解説します。

◇BCが合っていないサイン【ソフトコンタクトレンズ編】

ソフトコンタクトレンズは軟らかい素材でできているため、BCの値が多少ずれていても装用は可能です。

しかし、以下のような場合はBCが小さすぎる可能性があります。

l  レンズが目に貼り付く

l  目に締め付け感がある

l  目が充血する

l  ごろつきなどの違和感がある

l  目の乾きが気になる

目に対してBCが小さいと、レンズが目に貼り付いたり、眼球が圧迫されて締め付け感を覚えたり、充血したりすることがあります。特にレンズが目に貼り付くと、角膜を傷つけてしまうこともあるため大変危険です。

また、BCが小さいとレンズの縁が直接目に当たってしまうため、目のごろつきなどの違和感も生じやすくなるでしょう。さらに、目のうるおいを保つ涙の流れが妨げられるため、ドライアイになることもあります。

だからといって、BCが大きいレンズも好ましくありません。以下の場合は、BCが大きすぎることが疑われます。

l  レンズがずれやすい

l  目にかゆみがある

目に対してBCが大きいと、レンズの位置が安定せず、ずれやすくなります。レンズがずれると目にかゆみが生じやすくなり、かゆみを抑えるために目をこすると、角膜が傷ついたり結膜炎になったりする場合もあるため、注意が必要です。

◇BCが合っていないサイン【ハードコンタクトレンズ編】

ハードコンタクトレンズは硬い素材で作られているため、ソフトコンタクトレンズ以上にBCの値が重要です。そのため、ハードコンタクトレンズのBCは0.05~0.1㎜間隔で用意されています。

以下のような場合はレンズのBCが合っていないかもしれません。

l  レンズがすぐにずれる・はずれる

l  レンズを装用すると違和感や痛みがある

BCが合っていないと、上記のような不具合があらわれるだけでなく、目を傷つけてしまう場合もあります。症状がひどくなる前に、眼科で検査を受けるようにしてください。

◇BCが合っていないサイン【カラコン編】

カラコンは軟らかな素材で作られているため、ソフトコンタクトレンズに分類されます。そのため、BCが合っていないサインはソフトレンズの場合と同様です。さらに、カラコン特有のサインとしては、以下のような症状があります。

l  レンズの色素が角膜にかぶってしまい、視界が悪くなる

なお、カラコンは直径が大きいものも多く、商品によってはBCが合っていても違和感やずれが気になることがあります。痛みを感じるなどの異常がある場合は使用をやめ、すぐに眼科を受診するようにしましょう。

■コンタクトレンズのBCが合っていない際に生じるリスク

すでに述べたように、BCが合わないとさまざまな目の不調を覚えることがあります。

BCが合っていないときに起こる症状や、それらの症状が生じる原因について解説します。

◇瞳が充血する

自分の目よりも小さな BCのレンズを選ぶと瞳が圧迫されて目の血管が膨らみ、充血してしまいます。充血は眼病のもとになるので、合わないようであればすぐに装用を中止しましょう。

◇目がゴロゴロして不快

これもBCが小さいときに起こりやすいトラブルです。

目のゴロゴロ感などは、コンタクトレンズの縁が目に当たることで生じるといわれています。不快な症状が続く場合は、眼科を受診してBCを測ってもらいましょう。

◇ドライアイになる 

コンタクトレンズは目に密着しているわけではなく、涙の層の上に浮いた状態になっています。しかし、BCが小さいとレンズの縁が目に当たりやすくなり、場合によっては涙の通り道をふさいでしまうことになりかねません。

涙の流れが妨げられると、当然のことながら目が乾きやすくなります。このようなことが原因で、ドライアイになる人も少なくありません。

◇瞳がかゆくて落ち着かない

こちらは、BCが大きすぎるときに起こりやすいトラブルです。

BCが大きすぎるとコンタクトレンズの位置が安定せず、ずれによって目のかゆみが生じやすくなります。何度も目をこすると角膜が傷ついてしまいますし、目やにもたくさん出るようになるので気をつけましょう。

◇頭痛に悩まされる

BCの合っていないコンタクトレンズを使い続けると、目が疲れやすくなったり目の周囲の血流が悪くなったりするなどして、眼精疲労をまねくことがあります。

眼精疲労の代表的な症状としては、目の痛みやかすみ目、目の充血のほか、頭痛や肩こり、吐き気などが挙げられます。しかも、これらの症状は休息や睡眠をとってもなかなか回復せず、特効薬も存在しません。

眼精疲労からくる頭痛を改善するためには、原因を取り除くことが必要です。コンタクトレンズを使用すると体調が悪くなる場合は、早めに眼科を受診して、BCなどレンズデータが正しいかどうかをチェックしてもらいましょう。

■まとめ

コンタクトレンズのBC(ベースカーブ)とは、レンズの曲がり具合を数値であらわしたものです。BCの合っていないコンタクトレンズを装用すると、目に違和感や痛みを覚えたり、角膜に傷がついたりするだけではなく、頭痛や吐き気などの症状があらわれることもあります。

コンタクトレンズを選ぶ際には、度数や使用期間に気を取られがちですが、BCを合わせることも大変重要です。しかしながら、BCは自分で測れるものではありません。BCの値がわからない方は、この機会に眼科で検査を受けて正しいBCを知っておきましょう。