メガネの鼻パッドは、メガネのずり落ちを防ぐ大切なパーツですが、化粧崩れや色素沈着の原因になることもあります。
もちろん、適切なケアをすればメガネ跡が残るリスクは抑えられますが、一度色素沈着が生じると、日頃のスキンケアだけでは改善が困難です。
そこでこの記事では、メガネ跡が付くメカニズムやおもな原因、メガネ跡の改善方法などを解説します。メガネ跡を予防する方法も紹介するので、お悩みの方はぜひ参考にしてください。
メガネ跡が付くのは、メガネの鼻パッドで皮膚を圧迫しているためです。しかし、メガネ跡が長く残ったり定着したりするのは、肌の血行不良や新陳代謝の低下などが関係しています。
メガネの鼻パッドで皮膚が強く圧迫されると、その部分の血行が一時的に悪くなります。すると、圧迫された部分の毛細血管が広がり、メガネ跡が赤く残ります。これが、鼻パッドの跡に「赤み」が生じる理由です。
また、鼻パッドに圧迫されて血行が悪くなると、余分な水分がうまく回収されなくなってむくみが生じやすくなります。むくみがあると肌がへこみやすくなり、鼻パッドの当たる部分がへこんでメガネ跡になってしまうのです。
肌は外部から刺激を受けると、メラニン色素を生成して皮膚を守ろうとします。通常は、生成されたメラニン色素が新陳代謝によって体外に排出されることで、肌の色が少しずつ元の状態へと戻っていくものです。
しかし、鼻パッドによる圧迫が続くとメラニン色素の排出が間に合わなくなり、メガネ跡がシミや黒ずみとなって残ることがあります。
肌の代謝サイクルは年齢とともに長くなる傾向にあるため、現在メガネ跡がない方でも、メガネを使い続けていると将来的に色素沈着として残る可能性は否定できません。
鼻の付け根にメガネ跡が付く場合は、現在かけているメガネが合っていないおそれがあります。特に以下のような場合は、メガネ跡が付きやすくなるでしょう。
メガネが重いと、メガネを支えている鼻パッドに大きな力がかかります。その分、鼻の付け根部分が強く圧迫されることになるため、血行不良や色素沈着をまねくリスクが高まります。したがって、重いメガネを長時間かけている方は注意が必要です。
たとえ軽いフレームを選んでも、レンズの種類や度数によっては、メガネ全体の重量は増えます。特に、メガネの正面側に重さが集中すると鼻パッドに大きな力がかかりやすくなるため、フレーム・レンズ選びは慎重に行ないましょう。
鼻パッドは、鼻筋にフィットする状態になっているのが理想です。この状態では鼻パッド全体にメガネの重さが分散されるため、メガネ跡があまり残りません。
一方、鼻パッドの角度や幅が適切に調整されていないと、メガネの重さがうまく分散されず、鼻パッドの一部に大きな力がかかってしまいます。すると、鼻の付け根部分が圧迫されて、メガネ跡ができたり痛みが生じたりしやすくなります。
なお、セラミックやチタンといった硬めの素材の鼻パッドも、メガネ跡ができやすいため、注意しましょう。
メガネの幅が広がり過ぎていると、つるが顔の側面にフィットしなくなり、耳の後ろと鼻パッドだけでメガネを支えなければなりません。このような状態になると、鼻パッドの部分に大きな負担がかかるため、メガネ跡が付きやすくなります。
購入時にきちんとフィッティングをしていても、片手でつるを持ってメガネを外すと幅が広がりやすくなります。メガネを片手で外す癖のある方は、できるだけ気を付けましょう。
メガネのつるが耳より手前側でカーブしていると、耳と鼻の付け根部分がメガネに引っ張られることになります。これにより、鼻パッドが皮膚に強く押し付けられるため、メガネ跡が付きやすくなり、耳にも痛みが出てくるでしょう。
逆に、つるのカーブが後ろ過ぎると耳でメガネを支えられなくなるため、メガネが前下がりになります。結果として鼻パッドにかかる負担が大きくなるため、メガネ跡が付きやすくなります。
このように、つるのカーブの位置が前過ぎても後ろ過ぎても良くありません。
メガネ跡を付けないようにする方法としては、鼻パッドやつるの調整、メガネの買い替えなどが考えられます。
メガネを長期間使用すると、つるが広がったりネジがゆるんだりして、顔にうまくフィットしなくなってきます。したがって、メガネ跡が気になる場合は、メガネを購入した店舗でフィッティング調整をしてもらいましょう。
フィッティング調整の頻度は、3ヵ月に1回程度が理想です。このとき、メガネ跡に悩んでいることを伝えると、店舗側も対応しやすくなるでしょう。
フィッティング調整は、メガネを購入した店舗に行けば無料で対応してもらえる場合がほとんどです。ただし、調整によってメガネを破損する可能性が高い場合は、調整を断られることもあるようです。
メガネ跡が気になる場合は、鼻パッドの素材にも配慮しましょう。
鼻パッドが交換できるタイプなら、シリコンやエアクッションなど肌あたりの良い素材への交換がおすすめです。
シリコン素材の鼻パッドは滑りにくくて軟らかいため、メガネのずれを防いでやさしく鼻筋にフィットします。一方、エアクッションの鼻パッドは内部が空洞になっており、鼻にかかる圧力をやわらげてくれます。
鼻パッドが交換できないタイプのメガネには、鼻あて部分にシリコンシールを貼るとよいでしょう。
また、鼻筋と接する面積が広い鼻パッドにするのも、メガネの重さが分散されてメガネ跡が付きにくくなるため、おすすめです。
なお、鼻パッドの交換については、保証期間内なら無料で対応してくれる店舗もあります。有料でも数百円程度で済むことが多いため、コストはそれほどかからないでしょう。
重たいメガネを使っている場合は、メガネ跡を予防するためにメガネそのものを買い替えるのも選択肢の一つです。軽量素材のフレームを選んでレンズを薄くすれば、重さはかなり抑えられるでしょう。
なお、メガネ一式の平均購入価格は約28,000円です(2024年11月時点)。ただし、フレームに特殊加工が施されているものや薄いレンズは、通常のフレーム・レンズに比べて価格が高く設定されていることが多いようです。
日常的にメガネをかけていると、どれほど気を付けていても多少のメガネ跡が残ってしまいます。赤みやへこみにとどまらず、色素沈着が生じると簡単には改善できないため、血行を良くしたりスキンケアに取り組んだりするなどして早めに対処しましょう。
鼻パッドが当たる部分の赤みやへこみが気になる場合は、メガネが当たる部分を中心に温めて血行を促しましょう。
おすすめは、蒸しタオルとマッサージの併用です。
蒸しタオルは、タオルを水で濡らして軽く絞り、電子レンジで1分ほど温めるだけで用意できます。ほど良い温度であることを確認したら、気になる部分に当て、2分ほど温めてからタオルを外してください。
次に、マッサージをします。美容液やマッサージオイルなどを使い、摩擦を抑えながらメガネ跡を指でやさしくなでてください。目もとの皮膚は薄くてデリケートなので、強くこすり過ぎないよう気を付けましょう。
メガネ跡の色素沈着が気になる場合は、しっかりスキンケアをして肌の新陳代謝を促しましょう。
スキンケアで大切なのは、肌を乾燥させないことです。洗顔後は特に肌が乾燥しやすいため、水分を軽く取り除いたらすぐに保湿しましょう。
定期的なピーリングもおすすめです。週に1回程度ピーリングをすれば、古い角質が取り除かれて新陳代謝が促されます。
美容液は、ハイドロキノンやビタミンC誘導体などの美白成分入りのものを選ぶとよいでしょう。
なお、スキンケアで肌を元の状態に戻すためには、ある程度の期間が必要です。丁寧なスキンケアを心がければ、少しずつ効果があらわれてくるので、気長に取り組んでください。
残念ながら、メガネをかけている限り、メガネ跡の悩みから完全に解放されることはありません。メガネ跡と無縁になりたいなら、コンタクトレンズの使用も考えてみましょう。
コンタクトレンズを使用すれば、メガネ跡が付かないのはもちろん、鼻パッドによる化粧崩れに悩まされることもありません。汗や呼気でレンズが曇ることもないため、ストレスもたまりにくいでしょう。
「コンタクトレンズはケアが面倒……」という方には、ワンデータイプのコンタクトレンズをおすすめします。
ワンデータイプのコンタクトレンズなら、装用後はレンズを捨てるだけで済むため、デイリーケアが一切必要ありません。毎回清潔なレンズを使えて衛生的なため、目の健康を大切にしている方にもおすすめです。
メガネからコンタクトレンズに切り替えたいと考えている方は、まずワンデータイプのコンタクトレンズから始めてみてはいかがでしょうか。
メガネ跡ができるのは、鼻パッドによる血行不良や色素沈着のためです。こまめにフィッティング調整をしたり軽いメガネを使ったりすることで予防は可能ですが、メガネ跡と決別したいならコンタクトレンズの使用をおすすめします。
なお、メガネの度数とコンタクトレンズの度数は、必ずしも同じではありません。コンタクトレンズに切り替える場合は必ず眼科を受診して、目の状態に応じたレンズを処方してもらいましょう。
更新日:2024/12/25