野球のパフォーマンスを左右する重要な要素の一つが「視力」です。視力矯正をしたことで成績が格段にアップしたプロ野球選手もいるほど、野球において視力は重要な要素です。
しかし、視力の矯正方法にはいくつかの種類があり、野球に適した視力矯正方法がわからない方もいるでしょう。
今回は、野球と視力の関係やプレー時に適した視力矯正方法、野球をする方におすすめのコンタクトレンズを紹介します。
視力は野球の競技パフォーマンスにどのくらい影響するのでしょうか。視力の低下で起こりうること、視力を矯正した場合に改善できることなどと併せて見ていきましょう。
競技・種目により多少の違いはありますが、一般的に視力が低下すると多くの競技能力は低下します。
両眼視力1.2の競技能力を100%とすると、視力0.7で約80%、視力0.3で約60%まで低下するという研究報告もあります。
そして、視力の影響が特に大きいのが球技です。野球の場合、両眼視力1.2の競技能力を100%とすると、視力0.7で約75%、視力0.3で約30%まで低下するそうです。
野球では、高速で移動する比較的小さなボールを目で追うシーンがたくさんあります。バッティング時やフライの捕球時などはその典型例です。
視力が低下すると、ボールをバットに当てることや、落ちてくるボールをキャッチすることが難しくなるため、競技パフォーマンスが著しく低下します。
また、視力が低下すると、静止している遠方のターゲットをはっきりと捉えられなくなります。結果として、送球相手の様子を正確に把握できなかったり、ベンチやキャッチャーからのサインを見逃したりする場合もあるでしょう。
さらに、ボールとの距離感をつかむことも困難になります。ボールとの距離感が把握できないと捕球位置の判断がずれたり、送球先までの距離感がつかめず暴投になったりするリスクも高まります。
さらに、野球は屋外でのプレーが多いため、時間帯や環境で見え方が変わることもあります。特に視力が悪いと、夕暮れ時にボールが見づらくなったり、日中にボールが景色と同化して見えにくくなったりすることもあります。夜間にナイター施設を使う場合でも、光が十分に届かない場所ではボールがはっきりと見えない可能性があります。
視力を適切に矯正することで、野球のパフォーマンス低下を防ぐことができます。
矯正することで向かってくる速いボールも目で追いやすくなり、空振りや捕球ミスを減らせるかもしれません。また、視界がクリアになると状況を瞬時に判断しやすくなり、次の行動に素早く移ることができます。
また、視力を矯正すればサインの見落としも減るでしょう。ボールや送球先との距離感を正確に把握することで、捕球ミスや送球ミスもしづらくなります。時間帯や環境によって見え方が影響されにくくなるのも利点です。
一般的に、野球をする場合は視力が1.2~1.5以上であることが望ましいとされています。
ここでは、野球をするときの視力矯正方法としてよく利用される眼鏡と、コンタクトレンズのメリット・デメリットについて紹介します。
野球はラグビーのような接触型スポーツではないため、目の状態やポジションによっては眼鏡という選択肢もありうるでしょう。
・メリット
眼鏡は着脱が容易で、大人はもちろん子どもでもかけ外しができます。花粉や砂埃をある程度防げることもメリットです。
また、汚れても簡単に手入れができるため、屋外でも気軽に使えます。
・デメリット
眼鏡はスポーツ中にずれたり外れたりすることがあり、競技の邪魔になることがあります。また、汗や息、雨天時、外気温の変化などが原因で曇ってしまい、視界が悪くなることも少なくありません。
さらにフレームによっては、裸眼時と比べて視野が狭くなることもあるほか、レンズと目の間が離れているため、物が小さく見えたり歪んで見えたりすることもあります。レンズの中心と視線がずれると、実際の位置より離れた場所に物があるように見え、距離感が正しく把握できないこともあるでしょう。
なお、左右の視力差が大きい場合、無理に眼鏡で視力を矯正すると、見え方に違和感が出たり、眼精疲労を招いたりするおそれがあります。左右の視力差が大きい方は、眼鏡にすべきかよく検討が必要です。
視力矯正をしているスポーツ選手の多くは、コンタクトレンズを装用しています。
・メリット
コンタクトレンズは眼鏡に比べてずれたり外れたりする心配が少なく、曇ることもありません。また、眼鏡と違ってフレームがないため、広い視野を確保できます。
目に直接装用するコンタクトレンズは、見え方の変化が少ないことも大きな特長です。左右別々に視力を矯正できるので、左右の視力差が大きく眼鏡での矯正が難しい方にもおすすめです。
・デメリット
コンタクトレンズは、着脱に慣れるまで少し時間がかかります。また、ワンデータイプ以外のコンタクトレンズはデイリーケアが必要です。したがって、お子さんがコンタクトレンズを使用する場合は、保護者によるサポートが必要になるかもしれません。
コンタクトレンズには、目が乾きやすいというデメリットもあります。屋外で使用すると、砂埃などが目に入ってゴロゴロとした違和感や痛みが出ることも。特にハードコンタクトレンズは目に異物が入ると強い痛みを生じます。
眼鏡もコンタクトレンズもそれぞれメリット・デメリットがありますが、野球をするときにはコンタクトレンズが使いやすいでしょう。
特に装用感が良く、ずれにくいソフトコンタクトレンズがおすすめです。
スポーツ用に開発された製品は装用時にレンズがあまり動かない設計となっており、レンズの動きにともなう瞬間的な視力低下もほとんどありません。
野球は視力によってパフォーマンスの質がかなり変化するため、視力矯正に使用する場合はスポーツ用のソフトコンタクトレンズをおすすめします。
なお、ハードコンタクトレンズはちょっとした刺激でずれたり外れたりすることがあるため、スポーツ時はソフトコンタクトレンズのほうが使いやすいでしょう。
ここからは、野球をする方におすすめのコンタクトレンズを3点紹介します。
シードの「エアグレードワンデーUVダブルモイスチャー」は、酸素透過率が高く、うるおいが長続きするワンデータイプのソフトコンタクトレンズです。レンズには、酸素透過率の高いシリコーンハイドロゲル素材を使用しています。
また、特殊構造の「アクアホールドテクノロジー」で水分を捉えて逃さないため、レンズのうるおいが長時間持続します。レンズ表面が水分で覆われているため、汚れが付きにくいことも大きな特長です。
さらに、保存液には2種類の保湿成分を配合し、装用した瞬間から快適なつけ心地を実感できます。UVカット成分も含まれているため、屋外で過ごす時間が多い方におすすめです。
クーパービジョンの「クラリティワンデー」は、高い酸素透過率とやわらかさ・快適さを兼ね備えたワンデータイプのソフトコンタクトレンズです。
レンズにはシリコーンハイドロゲル素材を採用。従来のレンズより約3倍も高い酸素透過率で瞳の健康を守ります。
また、含水率が56%と高く、メーカー独自の技術でレンズに自然なうるおいを実現。みずみずしくやわらかなつけ心地なのも特長の一つです。もちろん、UVカット成分も含まれています。
シリコーンハイドロゲルレンズのなかでは比較的安価でコストパフォーマンスが高い商品なので、ランニングコストを気にする方にもおすすめです。
シンシアの「シンシア2ウィークS」は、すぐれた親水性と防汚性を併せ持つ2ウィークタイプのソフトコンタクトレンズです。
酸素を通しやすいシリコーンハイドロゲル素材のレンズのため、長時間装用する場合も瞳の酸素不足を抑えられます。また、特殊な表面構造でレンズ内に水分をしっかりキープするため、うるおいが長続きして水分がよくなじみます。レンズのうるおいで乾燥感や異物感が軽減されるため、快適な装用感が得られることも特長です。
水分へのなじみの良さは毎日繰り返し洗浄しても変わらず、脂質汚れも付きにくく、14日間毎日快適に装用できます。
野球の競技能力は、ほかのスポーツに比べて視力の影響を大きく受けやすいことが明らかになっています。そのため、パフォーマンスアップを目指すなら、まず自分の視力を正しく知ることが必要です。視力が悪い場合は眼科を受診して、目の状態に応じた視力矯正を行なうようにしましょう。
野球をプレーする際の視力矯正は、ソフトコンタクトレンズがおすすめです。レンズ選びに迷ったら、今回紹介した商品を候補として考えてみてください。
更新日:2024/6/30