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コンタクトレンズの定期検診|頻度と内容、学校健診の受け方も解説

日常生活において、目はとても大切な役割を果たしています。しかし、目のトラブルは自覚症状がない場合も少なくありません。また、視力も変化するものです。
特にコンタクトレンズを使用している場合、定期的に眼科を受診して目の健康状態を確認してもらうことはとても大切です。とはいえ、どれくらいの頻度で眼科を受診するべきか悩んでいる方も多いことでしょう。

そこで今回は、コンタクトレンズを利用している場合に眼科で定期検診を受ける頻度や、検査の内容などを解説します。コンタクトレンズを使用している方が学校で視力検査を受ける場合の注意点なども紹介しますので、学校健診の受け方に悩んでいる方もぜひ参考にしてください。

■コンタクトレンズユーザーに眼科定期検診が必要な理由

まずは、コンタクトレンズユーザーにとって眼科の定期検診が欠かせない理由を理解しておきましょう。

◇目に合う度数や見え方の変化を確認するため

目に合うコンタクトレンズの度数は、常に同じわけではありません。特に年齢を重ねると、目の筋肉の柔軟性が失われて見たいものに焦点を合わせにくくなったり、色覚があいまいになったりする場合もあります。

しかし、度数の合っていないコンタクトレンズを使い続けると、見づらさを感じるだけではなく、目の疲れから肩こりや頭痛、吐き気などの体調不良をまねくこともあります。

一方、眼科を定期的に受診すれば、度数や見え方の変化にいち早く気付けるだけでなく、目の状態に応じたコンタクトレンズを処方してもらうことも可能です。目や体の健康を守りながらコンタクトレンズを使うためにも、眼科の定期検診は欠かせないものといえます。

◇目の病気や傷を放置しないため

目の病気や傷は、自覚症状がほとんどないこともあります。特に装用感の良いソフトコンタクトレンズを使っていると、目の異常に気付くのが遅くなる場合があるようです。
実際、コンタクトレンズによる眼障害は、約10人に1人の割合で発生しているといわれています。

もっとも、眼科を定期的に受診すれば、目の病気や傷を早期発見することは可能です。眼疾患や傷に早めに気が付けば、症状が重症化する前に適切な治療を受けることもできるでしょう。

このように、気が付きにくい目の病気や傷を放置しないためにも、眼科の定期検診は必要です。

◇目の状態に応じたコンタクトレンズを処方してもらうため

眼科で定期検診を受け、視力や見え方、目の状態などに変化があった場合は、目の健康状態に応じた処方箋を発行してもらえます。

コンタクトレンズには多種多様なブランドがあるため、その中から自分の目の状態に合う商品を的確に選ぶのは至難の業です。しかし、眼科医の処方箋があればレンズ選びの手間がありません。また、医師から新しい商品の情報を提供してもらえる場合もあるため、より目に優しい商品を選ぶ手助けにもなります。

目の状態に応じた適切なコンタクトレンズを処方してもらうためにも、定期的な眼科受診はとても大切です。

■眼科定期検診の頻度と検査内容

次は、眼科の定期検診の頻度と検査内容について解説します。

◇3ヵ月に1回は眼科の定期受診を

コンタクトレンズユーザーを対象とした調査によると、重篤なコンタクトレンズ障害は眼科の受診間隔が3ヵ月を超えている人に多いことがわかっています。

したがって、医師から特に指示がなく、目に気になる異常がない場合でも、コンタクトレンズを使用している場合は3ヵ月に1回は眼科で定期検診を受けるようにしましょう。

ただし、目に何らかの異常がある場合は別です。このような場合は、すぐに眼科を受診して適切な治療を受けてください。

◇定期検診の内容

眼科の定期検診では、最初に問診で痛みやかゆみ、異物感、乾燥感などの症状がないかを確認します。これは、目やコンタクトレンズの大まかな状態を把握するためです。

問診後は視力検査です。視力検査では、現在使用中のコンタクトレンズで見え方に問題がないかを確認します。

診察では、「細隙灯(さいげきとう)」と呼ばれる特別な拡大鏡を使い、細い帯状の光を目に当てて前眼部(眼の表面)を確認します。特に詳しく見るのは、角膜(黒目)や結膜(白目)、まぶた、涙の状態、コンタクトレンズの動きなどです。症状によっては、コンタクトレンズを外した裸眼の状態での検査も行ないます。

さらに、必要であれば眼の中やその他の箇所も確認し、コンタクトレンズの傷や汚れなどもチェックします。

なお、眼科のコンタクトレンズ定期検診には保険が適用されるため、健康保険証を忘れずに持参してください。診察にかかる費用は、目薬などが出ない場合には、3割負担の初診で1,000~1,500円程度、再診で300~900円程度です。

■眼科の定期検診を受ける際の注意点

眼科でコンタクトレンズの定期検診を受ける際には、次の点に注意しましょう。

◇コンタクトレンズは付けたまま来院してOK

使用中のコンタクトレンズが目に合っているかどうかを確認してもらえます。

ただし、目の状態によってはコンタクトレンズを外して検査する場合もあります。したがって、メガネや保存ケース、予備のコンタクトレンズを持参してください。特にワンデータイプのコンタクトレンズは再装用できないため、メガネや予備のレンズを忘れないようにしましょう。

なお、目に痛みや違和感がある場合は、コンタクトレンズを外してケースに入れた状態で持参し、診察を受けてください。

◇アイメイクはしない

定期検診のときに限らず、眼科を受診する際にはアイラインやアイシャドウなど目の周りのメイクはしないほうが無難です。

眼科では、診察時・検査時に医師がまぶたに触れることが少なくありません。しかし、アイメイクをしていると、メイクの油分で医師の指が滑ってしまうことがあります。また、繰り返し触れることでメイクがよれたり崩れたりするおそれもあります。

このようなことを防ぐためにも、眼科受診時のアイメイクは避けるべきです。どうしても必要な場合は、眼科受診後にメイクするほうがよいでしょう。

◇日頃の目の健康状態をメモしておく

眼科医からの質問にすぐ答えられるように、日頃の目の健康状態をメモしておくことも大切です。

目の状態やコンタクトレンズに関して気になることがある場合は、あらかじめまとめておくと慌てなくて済みます。目やにや涙の流れ方なども診察の手助けとなる重要なポイントなので、忘れずにメモしておきましょう。

◇併用薬がある場合はきちんと伝える

眼科受診時には、普段使用している薬について聞かれることもあります。併用薬がある場合は、目薬だけではなく飲み薬などもすべて伝えるようにしてください。

眼科で処方される薬と普段飲んでいる薬の飲み合わせが悪ければ、副作用が起きるおそれがあります。おくすり手帳がある場合は持参して、薬の処方前に確認してもらいましょう。

■学校の眼科健診の受け方

ここからは、学校での眼科健診の内容やコンタクトレンズを使用している場合の注意点などを解説します。

◇学校の眼科健診の内容

学校の眼科健診では、視力検査や眼位検査、外眼部検査などを行ないます。それぞれの詳しい内容は以下のとおりです。

・視力検査
片側の目を器具で遮閉し、1m~5m離れた位置からランドルト環(○に1ヵ所切れ目が入ったもの)の見え方を調べる検査です。
通常は直径の大きなランドルト環から始め、切れ目の方向を正しく言えたら次のランドルト環に移って見え方を判定します。片側の目の検査が終了したら、反対側の目も同様に検査します。

・眼位検査
ペンライトを使い、斜視や斜位の有無を調べる検査です。

斜視とは、両目で対象物を見ているときに、片側の視線がズレて対象物を見ていない状態をいいます。斜位は、片側の目を遮閉したときに、遮閉された側の目が動いて対象物の方向を向かなくなる状態です。

斜視・斜位の原因はいろいろありますが、症状によっては手術が必要になる場合もあります。

・外眼部検査
結膜炎の有無やまつ毛・まぶたの異常、角膜の異常などを調べる検査です。

花粉症などによるアレルギー性結膜炎やウイルス性角結膜炎などがある場合は、治療が必要になります。また、いわゆる「逆さまつ毛」がある場合は角膜に傷が付くこともあるため、手術が必要になる場合もあります。手術が必要ない場合でも、結膜や角膜に炎症がある場合は目薬などで治療しなければならないため、放置は禁物です。

◇コンタクトレンズの装用は学校の指示にしたがって

学校の眼科健診では、コンタクトレンズを装用したままでもよいとされる場合が多いようです。
ただし、自治体によっては「裸眼視力も測定することが望ましい」としている場合もあるため、視力検査時にコンタクトレンズを外すよう指示されることもあるかもしれません。

そのため、視力検査の方法については学校の指示にしたがい、コンタクトレンズ装用の可否がわからない場合はあらかじめ問い合わせておくとよいでしょう。

◇コンタクトレンズを外して眼科健診を受ける場合の注意点

学校の視力検査でコンタクトレンズを外す場合は、レンズの破損や汚染に注意しましょう。特にワンデータイプのレンズは再装用できないため、予備のレンズを忘れないようにしてください。念のため、メガネも持っていくと安心です。

ただし、学校でコンタクトレンズを外すと、目がかすむ場合もあります。裸眼で視力測定することがあらかじめわかっている場合は、可能な限りメガネで登校するほうがよいでしょう。

■まとめ

目の健康状態や視力は常に同じとは限らないため、コンタクトレンズを使用している場合は定期的に眼科を受診して目の状態をチェックしてもらう必要があります。目に異常がない場合でも3ヵ月に1回は眼科を受診して、目に合うレンズを処方してもらいましょう。

学校の眼科健診は、眼科の定期受診と同様にコンタクトレンズをはめたまま受けられる場合が多いようです。ただし、裸眼視力を測定する学校もあるため、眼科健診のある日は念のため予備のレンズやメガネを持っていくほうがよいでしょう。

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